2018年7月18日

7月ー夏の星座

 

  7月は七夕の月であるし、年長組は長野県の飯綱高原で宿泊保育もありますので、今日は夏の星座の話をします。

 

 

 

 昔は、といっても私の子供の頃は、自動車などもそんなに走っていなかったし、もくもく煙をあげる工場なんかもあまりありませんでした。それで夜空はきれいで、晴れた日には銀河がくっきりと辿れ、大きな星がちかちかと瞬いていました。

 

 

 

 七夕は、7月7日に牽牛と織女(おりひめ)が、一年一回、天の川を渡ってデートすることが許される日です。笹の枝に飾りや、願いを付けて川に流すので河口は翌日、笹だらけになっていました。私の、物心ついた頃には、だんだん殺虫剤が広く使われ始めた頃で、ホタルはもう、川からその灯は無くなっていました。それでも今よりは夜空ははるかにきれいで、牽牛が大熊座のアルタイル、織女(こと座のベガ)と、二人の間に大きく羽を広げて白鳥座が2人の逢瀬を助けるのだと大人たちに聞いて、大熊や、こと、白鳥座を構成する星をたどったりしました。

 

 

 

 白鳥座のデネブも、ひときわ大きな輝く星で、アルタイル、ベガ、デネブは夏の天頂にひっくり返った大三角を作りあげていました(「夏の大三角」)。デネブを目印に白鳥座をたどると、銀河の上に十字に並んだ格好が見えてくると思います。これが白鳥です。

 

 

 

 もう一つの天頂の基軸は、北極星(ポラリス)で、この星は一年中同じところに座っていて、この周りにいろいろな星座が回転します。北極星の見つけ方は簡単で、大熊座の一部が、ひしゃくを作っていてこれは北斗7星と呼ばれます。その柄ではなく、ひしゃくのはしを伸ばしていくと、そこに北極星が見つかり、それをもっと伸ばして、反対側にWの字になった星座がカシオペアです。この星座は夏でも冬でも見られます。

 

 

 

 夏の大三角の牽牛と織女のつないだ手の下に拡がる台形で今南天に見える大きい赤い星がアンタレスで、さそり座の1等星です。さそり座は地平線の低いところに寝そべるように現れ、見つけやすい星座ではありませんが、今はよく見えます。アンタレスは色でわかります。アンタレスは赤い星で、すぐにあれだとわかると思います。

 

 

 

 おうし座のアルテバランも大きな赤い星ですが、アンタレスほどは赤くないと思います。アンタレスを延長して台形の底辺を作るのは、おとめ座のスピカまたは牛飼い座のアークツルスです。さそり座は夏の間だけ出ている星座で、サソリは冬の主役オリオンを追っかけ、オリオンはサソリに追いかけられて、サソリが昇ってくる季節には天上から消えます。オリオンは英語ではオライオンと呼ばれますが、腰の三連星で北斗七星と同じくらい簡単に見つけることが出来る星ですが、肩のところにある大きな星ペテルギウスと、右ひざのところのリゲルが容易に見つかる1等星です。

 

 

 

 ペテルギウスと、先ほどのアンタレスは代表的な変光星で、光の強さが変わります。オリオン座は、なかなか特色のある星ですが、3連星の下の腰のところにたくさん変光星や暗黒星雲その他が散見されます。星雲はB何とかと番号で呼ばれ、3桁くらいの番号がついています。今はハッブル望遠鏡で見ることが出来、美しいオーロラのような姿が浮かびあがります。

 

 

 

 ペテルギウス、おおいぬ座のシリウスと、小犬座のプロキオンが冬の大三角を作ります。シリウスは地球から見える星で最も明るい星です。マイナス何等星と呼ばれる星は多くないが、シリウスはそれです。オリオンの左肩の上に見える赤い星がおうし座のアルテバランです。大きな星です。宇宙に散らばる星々は、小さい星屑の塊りから、それが引き合ってどんどん大きな星になり、大きくなればなるほど重力がかかって爆発explosionの反対でinplosionがおこり始めます。原子核が崩壊し、核融合反応が起こります。

 

 

 

 そういう意味では我々の住む太陽は中年の星で黄色の光を放っていますが、アルデバランのような赤い星ははるかに大きなサイズの星で、最後に赤色巨星となって、次には大爆発を起こして、核だけが残った白色矮星というものになって一生を終えます。ペテルギウス、アルテバランと御者座のカペラの間にも大三角が形成されます。

 

 

 

 四季移り変わる星の動きを見ながら自然の偉大さ、美しさ、深さを勉強しましょう。子供たちと保護者の方が、星の話を共有しながら夢を膨らませることが出来たら素晴らしいと思います。便利な道具は、星座早見盤というのが日本天文学会編で出されていると思いますので、興味があったらお求めください。毎日見ている星に名前があって、しかもそれらは運動して成長したり、衝突したり、ものすごいダイナミックな世界があるのだという認識は、心をワクワクさせるものです。