2019年11月21日

言葉、あそび、表現、おはなしと子供の発達

 

 秋が深まってきました。私が、タガメのいる里山を守るためにコオロギファームをやっている、兵庫県佐用町石井地区も、前に立っている大きな公孫樹が金色に色づき、葉を落として、プロムナードが黄金の毛氈をひいたみたい。アメリカフウも赤く色づき、もう上の方から葉をおとしている木もあります。空には星。カシオペアと、その鎖につながれた娘アンドロメダを救出に騎士ペルセウスが、顔を見ると石になるという蛇の髪の毛を持ったメデゥーサの首で恐ろしい海獣と戦い、石にするというお話は終わり、これから東の空にはオリオンが現れてきます。冬の空の主人公です。

 

 12月になるとクリスマス会や、学芸会が続きます。遊戯は子供たちの大事な仕事です。この時期には子供たちの脳が発達し、神経のネットワークが形成され、刈り込んでいかれます。これからの記憶は残っていきます。そして、それに伴い言葉の学習が可能になっていき、言葉によって、世界の概念が形成されて行きます。人間の社会は、いろいろな点でほかの動物とは違うユニークな特徴を持ち、高度な社会性は国家の形成だけではなく、一方で文化を形成しはしましたが、戦争を始めたり、環境破壊を行ったりするようにもなってしまいました。その文化は、そもそも遊びとして始まったもので、ヨセフ・ホイジンガというオランダのライデン大学の学長などは、ヒトを、ホモ・サピエンスというよりホモ・ルーデンス(遊ぶヒト)と定義します。この遊びの概念は、戦いやスポーツや、かけ事や、おそらく政治も含まれるようなものでしょう。遊びには、ルールの形成が必要で、文化は二次的なものと考えられると彼は説きます。人間の社会の形成にこのように重要な役割を果たした、遊びは、個体として成長してくる子供にとっても非常に大切な出来事に違いありません。子供は、しっかり、遊ばせなければなりません。遊びの中で、空間的な認識(クオリア)が形成され、運動神経が鍛えられます。遊びの中で芸術的な感性が磨かれて行くでしょう。社会的な行動もできるようになっていくでしょう。お芝居や、踊りなども、それだけではない成長の階段です。

 

 兵庫県の北部但馬地方に、豊岡という町があって、城崎温泉などがあり、昔から志賀直哉などが投宿して有名な町があります。豊岡は、コウノトリの繁殖をはじめ、コウノトリのいる農環境をシステムとして確立していますが、今度そこに演劇を専修する公立の職業大学が始動します。そこに、外国を含めた演劇カンパニーを無料で集め、街の中に温泉をそぞろ歩く有名俳優と一緒に地域振興をするという試みが始まるのです。そこに脚本家の平田オリザさんが学長でやってきます。兵庫県は今年の文化賞に平田さんを表彰しました。私が推薦人でしたので、表彰式に行ってきました。子供の演劇というのはないのかという私の質問に、いろいろあるのだといっておられました。是非、うちでもトライしましょう。宮沢賢治がコミックオペレッタ飢餓陣営というものを作って自分で音楽や踊りまでつけていますが、これは少し難しいから幼稚園級のものが欲しいといいました。

 

 もうだんだん暮れてきましたが、秋は読書の季節です。少しずつ少しずつ、私のこれまで集めた絵本や子供の本をピノキオ幼稚園に持ってきています。レオ・レオーニなど色のきれいな優しい絵本(字の読めない子でもわかる)だけでなく、小学生向けのものも入れています。いろんな段階のお話が入っています。ものによってはお母さん向けのものといってもよいものも入っているので、是非、親子で、お話の世界を共有しましょう。できれば、ご自分でお話を作ってあげられれば一層いいかと思いますが、すばらしい本もたくさんあるので是非ご利用ください。私は、持ってくる前にかならず自分で読んでから持ってくるようにしていますが、子供の本というのは大人が読んでも、心を幸せにしてくれるものがいっぱいあります。そういう世界を、お母さんの言葉で子供たちに伝えてあげられれば良いと思います。

 

 子供たちの心の中で、豊かな世界が広がってくると、今度は表現の仕方を学んでいくということになりますね。美しいものを沢山見せて、聞かせて、自分でそれを表現する方法を身に着けていくようにしたいですね。佐用町の昆虫館にやってくる子供の中にも虫が好きでたまらないだけでなく自分でここに貼ったような作品を作る子も出てきました。子供は、すごい!